安全靴とはいったいどのようなことがきっかけで生まれたのかということを考えると、歴史をたどってみたくなるはずです。というのも、大概の安全靴には、その先端部分が強化されており、昔であれば鉄板を入れ込み、足の指先などが傷まないように、あるいはつぶされないようにという目的で作られているからです。日本安全靴工業会というところがあります。そこが様々なことを調査した結果として、安全靴とはとか、先しんとはなどを教えてくれますが、起源はどうやら昭和22年だということが分かります。
当時は、労働者がまだ靴というものを履くという習慣がなく、草履の者が圧倒的に多かったということです。したがって、鼻緒の先に出ている足指を傷つけたり、傷めたりすることが多かったことが用意に伺えます。そこで生み出されたのが、金属の切り板をたたいて先しんのような形状にして、それを草履の先に取り付けるということが行われました。それが最初であり、先祖ということが出来そうです。
同時に、それでは不完全ですから、靴状の試作が行われたとされています。現代に近い形のものとしては、底の材料は進駐軍の払い下げの自動車のタイヤであり、甲を被う部分はやはり進駐軍からの払い下げのズック(帆布)であり、それに柔らかい鋼の板を先しんとして入れていたということです。その後アメリカへの視察旅行などをはじめとする機会がきっかけとなり、改良が加えられて今日に至るわけですが、依然として先しんの補強は必ず行われているという点は、歴史をもろに感じさせるものとなっています。もっとも世界共通で足指の大切さということが認識されているということでもあります。
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